ぐっさんの簡単レタッチ術 その10

こんにちは!
飯田橋店の山口です。
今回は前回の続きで「減法混色」のお話です。
さて、下の図は紙に印刷されたシアンのインクなのですが

01シアン
この場合、R(レッド)の光が吸収されて、
残りのG(グリーン)B(ブルー)がインクの層を透過して白い紙に反射して、
またインクを透過して目に入ってきます。

シアンのインクによってR(レッド)の光が吸収されて減ってしまった訳ですね。

 

そして、この図を見るとわかりますが、G(グリーン)B(ブルー)を足すとシアンになってますね!

08加法混色2
このように、私達がシアンのインクを見て「シアンだなぁ」と感じるのは、
G(グリーン)とB(ブルー)が足された光を見ているからなのですね。

ちなみに、吸収されたR(レッド)の光はシアンとは補色の関係になっています。

 

次はシアンとマゼンタを足してみますと

02シアンとマゼンタ1
シアンの補色のR(レッド)の光とマゼンタの補色のG(グリーン)が吸収されて、
G(グリーン)が目に入ってきます。
そのため、シアンとマゼンタを足すと青紫に見えるのですね。

シアンはR=長波長の光を吸収し、マゼンタはG=中波長の光を吸収する・・・
つまり色を混ぜる程、目に届く光が減っていくので「減法混色」という訳なのでした!
ですので、どんどん混ぜていくと黒に近づいていきます。

ところで、こうして見ていくと印刷物って減法混色なのかな?と思ってしまいますが、
どうやらそれだけではないみたいです。
一般的な印刷物の画像やオブジェクトなどは、
肉眼では判別できないような小さな網点でできているのですが

下の図のようにインク(網点)が重なっている部分は(拡大したイメージです)

03シャドウ部減法混色

こんな感じで減法混色の状態なのですが、
インクが重なっていない部分は

04併置的加法混色
このような感じになります。

網点のように小さいので、点描画のように遠くから見ると、
人間の目の解像度を越えてしまい、
本来は物理的に混ざっていないのに視覚的に混ざって見えてしまうそうです。

これを「併置加法混色」というそうです。

この場合の明るさは、混ぜ合わさった色の面積の平均になるそうなので、
物理的に色を混ぜる「減法混色」よりも明るくなります。

印刷物はこのような「減法混色」と「併置加法混色」でもって、多様な色調を表現しているのですね。
もし手元にルーペがありましたら、一度印刷物をルーペで拡大して見ていただくと面白いかも知れませんよ!

さて、面白くて長々と脱線してしまいましたが、
次回はRGBカラーモードでのトーンカーブで、
個別のチャンネルを動かすと色調がどう変化していくか見ていこうと思います。

ではまた来週