チラシ作成のカギになるのは、何と言っても「デザイン」です。
チラシは、集客や販促を目的に作られるツールですから、見る人の目を引き、行動を促すものでなくてはなりません。そのため、チラシのデザインには「目立つこと」や「わかりやすさ」が求められます。
チラシのデザインのポイントを押さえると、配布効果にも差が出ます。
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よいチラシをデザインするには、何よりも先に「ターゲット」や「目的」を明確にしておく必要があります。
例えば、学習塾のチラシをデザインするとします。
単純に考えるとターゲットは「学生」で、目的は「集客」ということになります。でも、これではイメージがはっきりせず、さあ作ろう!とはなかなかなりませんよね。なぜなら、ターゲットと目的が定まったように見えますが、まだ明確ではないからです。
制作できたとしても、すべての学生に当てはまるような汎用的な表現で、塾が伝えたいメリットを目立つように配置して…と、せいぜいこれくらいのイメージです。
明確化する際のフレームワークとして、ここでは「5W1H」について紹介します。
とはWho(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字をとった言葉です。コミュニケーションの基本としてよく用いられますね。
チラシも、言うなれば受け取った方とのコミュニケーションですので、この考え方が応用できます。
5W1H =
学習塾のチラシをこの5W1Hに当てはめて、より具体的にターゲットと目的を考えてみます。
受験生と設定して、具体的な状況を入れてみました。
「受験前の最後の夏休み。他の塾と違ってこんなメリットがあるから、学力を大きく伸ばすチャンス。今なら特典として…」と訴求するべきポイントが絞れてきますね。
このように5W1Hを用いることで最初のぼんやりしたターゲット像をさらにはっきりさせることができます。
ターゲットと目的がはっきりしたら、いきなりデザインを開始するのではなく、デザイン制作に必要な材料やワークフローを考えましょう。
ターゲットと目的を意識して、キャッチコピーや文章、タイトル、説明文、価格表記など、そのチラシに入れなくてはいけないメッセージや説明文、スペックをすべて企画書に洗い出しましょう。
どこに、どの順番で、どのような内容をレイアウトするか、そのコンテキストが重要になります。大まかな方向性を決めたラフレイアウトがあるとなお良いでしょう。
ラフレイアウトは実際に作りたいチラシのサイズで作った方が、情報量やバランスを確認できます。
チラシの用紙サイズはA4サイズが主流ですが、手配り用に小さなサイズのB4サイズやA5サイズを用いたり、逆に情報量が多かったりイメージを大きく見せたい場合には折加工を想定したA3サイズを用いることも。
折込チラシとして配布する場合、サイズの規格が決まっている場合がありますので事前に確認する必要があります。
チラシにアイキャッチのメインとなる写真やイラスト、商品やサービスの説明に添えるカットなど、必要な画像を用意します。
オリジナルの写真やイラストを用意するか、プロの作品が集まる素材集から購入したり、レンタルすることも可能です。
最近では、個人や小規模なビジネスのチラシであれば、スマートフォンで撮影した画像を使用することもあります。
チラシを印刷するには、情報やラフレイアウトに装飾を加えていくデザイン制作が必要です。下書きを清書していくイメージですね。
パソコンで作業を行うため、DTP(デスクトップパブリッシング)制作と呼ばれ、印刷用の入稿データに仕上げていきます。
通常、デザイン制作はAdobe Illustrator(イラストレーター)、Adobe InDesign(インデザイン)など専用のソフトを使用します。あるいはMicrosoft Office(オフィス)のWord(ワード)やPowerPoint(パワーポイント)といったビジネスソフトを使用しても制作可能です。
パソコンの制作環境がない場合は、印刷会社に依頼することもできます。インターネットなどでデザイナーを検索して依頼することも可能です。その際は、チラシなどのデザイン制作実績や費用をよく確認しましょう。
最初に、チラシという紙媒体がどのように見る人の手元に届けられているかを考えてみましょう。新聞の折り込み、ポスティングなどの手段が一般的です。インターネットが普及したとは言え、チラシの効果は高く、特に地域に密着したマーケットでは威力を発揮します。
ただし、配布時の競合が多いのもチラシの特徴です。一度にたくさんのチラシが届けば、ほとんどのチラシは埋没して捨てられてしまいます。ひと目で「なんだろう?」と思わせるデザインに仕上がっていなければ、せっかく考え抜いてチラシを作成しても、目を通してもらうこともかないません。
目を引くチラシデザインにはいくつか条件があります。
チラシを見てもらえるかどうかは、ファーストインパクトでほとんど決まります。
メインビジュアルの写真やイラストとそこに添えるキャッチコピー・文章の魅力が肝心です。目立たせるには、他の部分に比べて大きくレイアウトすることと、詰め込まずに余白を大きめにとることが基本になります。
レイアウトや構図を工夫すると、同じメインビジュアル・コピーでも印象が変わります。
色の要素もチラシのデザインには大きく影響します。メインのテーマ色を決め、そのテーマ色と相性が良い色や濃淡の配色を考えてみましょう。
背景色を濃色にした場合、文字色や要素(罫線や帯、装飾など)は可読性・視認性を考えて必然的に白色や薄い色になり、背景を含めた全面にインパクトのある仕上がりが期待できます。
背景色を淡色にした場合、文字や要素を濃色で構成することで、その文字や要素が浮き出るような強い印象になります。
使用する色の数が多いとカラフルで賑やかな印象になります。逆に極端に色数を少なくする方法もあります。白黒にしたり1〜2色の濃淡だけで表現することで、シンプルにレイアウトとキャッチコピー・文章のみを伝えられ、かつ、印刷費用が抑えられます。
チラシは、見る人が「買ってみよう」「使ってみよう」「やってみよう」と思うきっかけを醸成するもの。そう思うためには、親近感も非常に大事です。
伝えたいメッセージのイメージからベースとなる色を決め、添えるイラストなどを工夫するだけでも、親しみやすさや実際の使用イメージを演出することが可能です。
フォント(書体)選びも重要なポイントの1つ。ついついおしゃれさや好みで選んでしまいそうですが、以下のようなイメージを元に考えてみてはいかがでしょうか。
また、手書きのイラストや文字を使うのもクラフト感が出て親しみやすさアップです!
どれぐらい得なのか、その商品やサービスを購入すると、どんないいことがあるのかわからなければ、チラシは見る人にとって価値がないものになります。
「○○%オフ」「○月○日まで」など、メリットを享受できるタイミングや度合いをアピールする見出しやコピーは、なるべく目立つようにフォント(書体)や装飾を工夫しましょう。
図やグラフ、表組みにして視覚的に理解しやすい表現にすると、文章よりも重要な点が記憶に残りやすいです。
ここまではチラシデザインの考え方や概念についてでした。ここからはより具体的にレイアウトの5つのポイント「グループ化する」「揃える」「繰り返す」「メリハリをつける」「誘導する」を説明します。
グループ化・グルーピングとは、「わかりやすい」「見やすい」ことを基準にして、関連する情報を結びつけて整理していくということです。
まとめ方には以下のような方法があります。
グループ化の例
上記は基本的なグループ化の例ですが、デザインだけではなくつらつらとテキストで入力しただけの企画書でも、上記のような手法で整理すると見違えるほどわかりやすい情報になります。
ぜひ最初に取り組んでみてください。
デザインの初心者でよくありがちなのが、「なんとなく」内容をレイアウトしてしまうことです。
なんとなくレイアウトした場合に、奇跡的にバランスが保てることもないとは限りませんが、情報がバラバラとしている見た目に仕上がることが多々あります。「揃える」ということは、その情報を一定の決まりをもって位置を整列していくことです。
揃え方にも様々な方法があります。
揃え方の例
揃えがきっちりしていると、見やすいだけではなく、しっかり整った印象を与えることができます。
繰り返すというのは、同じ構造の情報を、同じレイアウトとして反復して見せるテクニックです。
例えば、たくさんの支店を記載しているチラシの場合に、それぞれに異なった書体や色や情報で掲載していたら、同じ店舗情報とは認識できませんし、一覧性が著しく下がります。
店舗情報などとにかく多くの情報を載せるときには店名、情報、詳細情報を1セットに規則正しく繰り返すことで、情報の区切りのルールが認識しやすく、1つひとつの情報が見やすくなります。
また、「電話とTEL」や「プリンタとプリンター」などの表記ゆれも修正しましょう。リズムよく読むことができます。
メリハリとは、内容を対比させ強弱をつけて見やすくすることです。
メリハリ = 対比
逆にメリハリがないチラシは、強弱がなく、色の差がなく、同じ配置が続く、抑揚のないつまらないデザインになってしまいます。
チラシに限らずデザイン学でよく言われることですが、人間の「視線の動かし方」には一定法則性があり、視線を誘導して情報を与えるデザインが優れているとされます。
例えば、横書きの印刷物なら左上から右上に、そして左下から右下へと視線を動かしますね。縦書きならば右上から右下、そして左上から左下へと視線を移動させるということを、無意識に私たちはやっているのです。
チラシのレイアウトも、こうした「視線の動かし方」を活かしたものであることが重要です。
ファーストビューとなる上部には、一番伝えたい情報を配置するのが鉄則。画像も文字も大きめにレイアウトし、コントラストを強く、文字色をはっきりしましょう。ここに細かすぎる情報を入れると、読み進める気が失せてしまいます。最初に目が行く場所は、画像のインパクトを活かして、「その先が知りたい」と思わせるくらいシンプルにデザインしたほうが効果的です。
目線が進むにつれて、少しずつ情報が深化していき、最後に問い合わせ先やお得なクーポンなどが配置されている……という流れが、チラシレイアウトのテクニックのひとつです。
チラシのデザインでもうひとつ忘れてはいけないことがあります。
それは、「全体を俯瞰する視点」です。
チラシを最初に見るとき、おそらくほとんどの人が「部分」ではなく「紙面全体」を見て、漠然と全体像を把握しています。
そこで気になる情報が目に入れば、初めて本を読むようなピンポイントの視点に切り替えるのです。
そのため、気になる部分を見つけやすくするデザイン的な工夫や、伝える情報や文字の絞り込み、色の設計が必要になります。
自社の商品やサービスに自信があれば、チラシで「あれも」「これも」と伝えたくなるものですが、情報の盛り込み過ぎは「見るべき場所」を見失わせる最大の原因。全体を俯瞰したときにどこを見てよいかわからず、それ以上見る気をなくしてしまうものです。
ですから、チラシで伝える情報をできるだけ絞り込み、その厳選したアピールポイントを際立たせるデザインを心がけましょう。
目に留めてもらいたいポイントは、フォント(書体)や装飾、並べ方、色の使い方に一定のルールを作るのがコツ。これらがバラバラだと全体像を把握しにくいので、見てもらいたい情報が見落とされやすくなります。情報を整理したのち、法則性のあるデザインを検討しましょう。
チラシのデザインで大事なことは、かっこよさやおしゃれさばかりではありません。目を引くためのインパクトは必要ですが、商品やサービスに見合わない高級感を演出したり、奇をてらったりするのは逆効果。「見る人にどんな印象を与えるか」を意識して、チラシのデザインを検討するのが大事です。
チラシのデザインが完成したら、以下の2つの視点で全体を見直してみましょう。
一消費者の立場になってチラシを眺めると、この2つの問いの答えとしてふさわしい働きをしてくれるかどうかがわかると思います。「自社目線」で特徴や優れた点を羅列しても、見る人の心には響きません。あくまで「消費者目線」で魅力を演出することが、チラシデザインの最大のポイントです。
また、キャッチコピーを始めとする言葉の使い方にも配慮しましょう。インパクト狙いで乱暴な言葉遣いになっていないか、誰かを貶めたり傷付けたりする表現になっていないか、文章に誤りはないか、丁寧にチェックしましょう。昨今はこうした問題にデリケートな時代ですから、企業やお店の信頼問題にも関わります。
勢いに任せたデザインのチラシも多く出回っていますが、それだけでは集客にはつながりません。最後まで第三者視点での丁寧なチェックを怠らないようにしましょう。
完成したチラシはそのまま店頭に掲出したり、チラシのデザインを流用してポスター作成に活用することもよくあります。
完成度の高いチラシデザインは、ポスターサイズになっても大変効果的です。同じレイアウトを踏襲しながらカラーバリエーション展開したり、反響の有無によっては再度デザインを見直して改善していくことも重要です。
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