一年でもっとも暑さが厳しくなる「暑中」の時期に、知人の健康を気遣って送る「暑中見舞い」の手紙やはがき。個人間のやり取りはもちろんですが、現在ではビジネスの現場でもよく行われています。
企業が取引先や顧客に純粋な季節の挨拶として送ることもありますが、夏季休業日のお知らせや夏のキャンペーン企画の告知などと合わせて送るパターンも増えています。ここでは企業がマーケティングの一環として暑中見舞いを送るときのポイントについて説明します。
季節の挨拶の一つである暑中見舞い。企業として必ず出すべきものではありませんが、逆を言えば、コストをかけてわざわざ暑中見舞いを送ってくれたと、受け取った側は特別感を抱いたり、好感を持つ可能性があります。
また、取引先からお中元などの贈り物を受け取った場合も、お礼状を兼ねて暑中見舞いを送ると良いでしょう。
暑中見舞いは内容を工夫することで、挨拶状+αの役割を担うことができます。例えば、暑中見舞いを兼ねて夏季休業のお知らせをする、この時期に行うキャンペーンの告知を行うなどです。このように暑中見舞いをマーケティングの一環として使う企業も増えています。
一年でもっとも暑さが厳しくなる暑中の時期に、知人の健康を気遣って送るのが暑中見舞いの本来の意味。では企業が暑中見舞いを送るのはどのタイミングが良いのでしょうか。
暑中見舞いを送っていいとされる期間は、はっきりと規定されているわけでなく、地域によっても異なります。一般的には、梅雨明け以降からは立秋(8月7、8日ごろ)までとすることが多いようですが、夏の土用(立秋前の約18日間)からとする地域や、暑中の期間(小暑から立秋前日の約1か月)とする地域もあるようです。
おおむね7月の初旬から8月7、8日ごろまでを目処に送ると問題ないでしょう。可能であれば受け取る側の地域の習わしに合わせるようにします。ちなみに、立秋を過ぎてしまった場合は、残暑見舞いとするのがルールです。
企業が暑中見舞いを送る場合は、この期間を守った上で受け取る側に知らせたい事項が効果的に伝わる時期を選びます。例えば、夏のキャンペーン企画などがあれば、事前予告になる時期に送るなど、調整すると良いでしょう。
送るのが当たり前とされているわけではない暑中見舞いなだけに、どのような文言を記せばいいのかわからないという方も多いでしょう。ここでは暑中見舞いを送るときの書き方を紹介します。
まず基本として、「暑中お見舞い申し上げます」などの季節の挨拶を冒頭に記し、続いて、先方の安否をたずねる言葉、自身の近況を伝える言葉、先方の無事を祈る言葉を綴り、最後は日付で締めます。企業の場合は、自身の近況を伝える場面で、夏季休業のお知らせや、夏のキャンペーン企画のお知らせなどを入れるようにしましょう。
暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
連日の酷暑ですが、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。
誠に勝手ながら、以下の期間は夏季休暇とさせていただきます。
記 ○月○日~○月○日
ご迷惑をおかけしますが、ご了承の上、今後とも何卒よろしくお願いします。
平成○○年 盛夏
暑中お見舞い申し上げます
日に日に暑さが厳しくなっておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、このたび弊社では夏のキャンペーンを行うことになりました。割引クーポンもお付けしておりますので、ご来店の際にはぜひこちらのはがきをお持ちください。
まだまだ暑さが続きますので どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます。
平成○○年 盛夏
上記の例2ようにキャンペーンのお知らせをする際には、お知らせだけでなく、自社の割引クーポンなどをつけて送ると良いでしょう。暑中見舞いによるキャンペーン告知がどの程度の効果があるのかを確認することができます。
送る枚数が少量であれば、上記の例文を参考に手書きや自社で印刷する方法もありますが、大量に送る場合は印刷会社の利用をおすすめします。自社で作成するより手間がかからないということはもとより、クオリティとしても高いものが望めます。
印刷会社では、暑中見舞いのさまざまなテンプレートを用意していますので、それらを上手に利用することで、よりデザイン性の高いものを作ることができます。切手代などのコストをかけて暑中見舞いを送るのですから、受け取った側の印象により深く残るものにしましょう。
季節の挨拶である暑中見舞いの手紙やはがきは、企業のマーケティングに役立つアイテムだと言えます。上記を参考にしながら、企業それぞれの目的に合った素敵な暑中見舞いを送ってみてはいかがでしょうか。
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