プライベートでの人脈が広い人ほど、仕事用の名刺だけではちょっと不便、なんとなく出しにくい……という場面は多いものです。でも、個人用の名刺は敷居が高いと思っていませんか?実は、今や個人用の名刺も手軽に作れる時代です。家庭用のプリンターがなくても、印刷会社で手頃かつきれいな名刺を手に入れることができます。
会社勤めをしている人はもちろん、個人で仕事をしている人も、趣味の仲間やボランティアの関係者、同窓会で出会った旧友など、仕事に関連しないプライベートなお相手に対しては、仕事用の名刺を出すのがはばかられることがあるのではないでしょうか。その場でスマホを使って連絡先を交換してもいいのですが、もしそういう場面で使える個人用の名刺があれば、よりスマートに連絡先を伝えることができますよね。
家庭用プリンターで作ることができる名刺カードも市販されていますが、印刷会社で刷る名刺でも、モノクロ片面印刷なら100枚で1,000円以下、両面カラーでも4,000円もかからずに作れてしまいます。家庭でプリントするのと同じようにオフィスソフトでデザインデータを作ったり、PDFファイルで入稿したりできますし、紙質も家庭用の名刺カードよりよく、仕上がりもきれいです。必要な枚数によっては断然お得というわけです。
会社や仕事用の名刺は、その人の連絡先とともに所属先の業務内容や企業カラーといった情報を伝えるツール。それぞれの写真や似顔絵を載せるようなデザインでなければ、個人による特徴はそれほど色濃く出ていないことが多いものです。
一方、個人用の名刺はその人の連絡先とともに「人となり」を伝えるツールでもあります。名刺のデザインや写真を選ぶのも自分ですから、選び方で趣味趣向がわかりますし、自前のキャッチコピーや趣味分野の情報など、名刺に載せている内容によって自分のキャラクターをアピールすることもできます。いわば、自分の趣味に走った自由なデザインや情報で個性を主張するのも、大事なコミュニケーション手段の一つになるのです。
ただし、コミュニケーションを円滑にするには、名刺をもらった相手が名刺からどんな印象を受けるかも重要です。その場やお相手にそぐわない内容になっていないかどうか、一度は客観的な目で見てみましょう。
会社や仕事用の名刺であれば必須の「住所」「電話番号」「名前」も、個人用の名刺では慎重に取り扱いたい個人情報の一つです。特に、趣味のイベントなどで不特定多数の人にお渡しする名刺は、気付かぬうちにこうした情報を知らせたくないような人に渡ったりすることもあります。万が一、お相手とトラブルが起こった場合、こうした情報を知られていることが、トラブルが深刻化するきっかけになる可能性も否めません。
プライベートなお付き合いであれば、本名を名乗らなくてもニックネームやハンドルネームの方が通りがいいこともあります。また住所や電話番号の代わりに、個人用でいつでも変更できるメールアドレスや、SNSのIDを載せるといった方法もありますから、どういった情報を名刺に載せるかは、あらかじめよく精査するのがオススメです。
自由にデザインできる個人用の名刺ですが、“デザインによって人に与える印象の違い”を押さえておくと、より狙い通りのデザインに近づくことができます。ポイントは、「余白」、「フォントの種類」、「文字同士のサイズ関係」の3つです。
名刺の文字の周囲に残す「余白」は、広めに取ると上品な印象に、狭めに取ると元気のよい印象になります。名刺に載せる情報を絞って上品な感じにするか、いろいろな情報を載せたり、文字を大きめにしたりして元気よくいくか、まずは方向性を決めることがおすすめです。また、左右や上下に名前や連絡先のテキストを寄せ、余白部分にポツンとテキストやロゴなどを載せると、その部分がより目につきやすくなります。
「フォントの種類」も、慣れていないとつい色々なフォントを使ってみたくなりますが、1枚の名刺の中では、あまりたくさんの種類を使わず、統一感を出す方が読みやすくなります。明朝体のフォントは上品な印象に、ゴシック体のフォントはカジュアルで元気な印象になります。文字が細過ぎて見づらかったり、太過ぎて潰れて見えたりしないよう、文字の太さにも気を遣ってみましょう。
名前の文字は大きく、肩書は小さめにといった「文字同士のサイズ関係」も、名刺の印象を決める大事な要素です。大小の差が小さいと上品な印象に、大小の差が大きいとカジュアルで元気のよい印象になります。大小の差が広がると大きい文字はより大きくなりますから、余白の考え方とも通じますね。
個人用の名刺は人にお渡しするためのものですが、気に入ったデザインで作れると自分の持ち物としても愛着が湧くはずです。いろいろ工夫して、素敵な個人用名刺を作ってみてください。
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