写真やロゴデザインなどの画像を印刷する際に気をつけたいのが「モアレ」です。画像上には本来存在していない縞模様が、印刷した際に意図せず出てしまう症状のことを指します。モアレが発生してしまうと、せっかくの印刷物が台無しになってしまうこともあるため、モアレに対する正しい知識を身につけて、事前に防ぐことが大切です。そこで今回は、印刷をする際に注意するべき「モアレ」について、その原因と対策を詳しくご紹介していきます。
モアレというのはフランス語で「干渉縞」という意味で、本来、実際の画像上に存在していない縞模様が、意図せず印刷物に発生してしまうことです。オフセット印刷では、「網点」と呼ばれる細かい網状の点の大きさや密度などによって色の濃淡が表現されています。カラー印刷の場合は、この網点にCMYKの4色を重ねることでさまざまな色を再現しているのです。この網点同士が複数重なることで、お互いの網点同士が干渉し合ってモアレが起こります。
印刷物にモアレが発生してしまう原因は、主に以下の3つです。
画像を拡大・縮小することで網点の角度がずれてしまい、アンチエイリアスがかかります。その結果、網点の周りがグレーになってしまうため、モアレが発生しやすくなってしまいます。
ストライプや水玉など、細かい模様というのは印刷の際に網点が干渉しやすいため、モアレ発生のリスクが高くなります。また、被写体そのものに細かい模様が入っている場合もモアレが発生しやすくなるため、注意が必要です。
スキャナーを利用して取り込んだ画像などを印刷に使っている場合、スキャニングした印刷物の網点と印刷の網点が干渉してしまうため、モアレが発生してしまいます。
では、実際にモアレを防ぐにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。主なモアレ対策のポイントは以下の3つです。
細い縞模様や細かい水玉模様など、モアレが発生しやすい画像を使う場合には、Illustratorをはじめとするレイアウト用のソフトで拡大や縮小をするのではなく、その画像をIllustratorに取り込む前に、ペイントやPhotoShopなどの画像処理ソフトであらかじめ拡大や縮小をしておいた画像を使用しましょう。
高性能なスキャナーには「モアレ防止機能」が付いているため、積極的に活用するのがおすすめです。
被写体の周り(壁紙、テーブルクロスなど)や被写体そのものに細かい模様がないかを確認しておきましょう。
大切な印刷物にモアレを発生させないためにも、まずは上記の内容を参考にして、モアレについて正しく理解し、効果的に防いでいきましょう。
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