「デザイン」というと専門的知識のない素人には難しいもののように感じますが、実際にはいくつかの法則を学ぶことで、デザインのクオリティをアップすることができます。中でもデザインを理解する上で重要なキーワードとなるのが「ゲシュタルト心理学」です。そこで今回は、デザインとゲシュタルト心理学との関係について詳しく解説していきます。
「デザイン」というと、専門的な知識や高い美的センスが必要と思われがちですが、例えばデザインを本職としない「ノンデザイナー」の方であっても、デザインの基礎となる前提や法則を覚えることで、デザインスキルを大幅にアップすることができます。ここでいうデザインの基礎とは、「デザインの前提」、「デザインの要素」、「ゲシュタルトの法則」、「デザインの原則」の4つです。では、それぞれ何を指すのか具体的に見ていきましょう。
デザインを始める際の土台となる要素のことで、「Format(判型)」、「Orientation(標定)」、「Grid systems(グリッドシステム)」、「Composition(構図)」、「Eye movement(導線)」、「Theme(テーマ)」など、最初に決めておくべき部分です。
デザインを構成するひとつひとつの要素のことです。「Line(線)」、「Color(色)」、「Shape(形状)」、「Texture(質感)」、「Space(空間)」、「Form(外形、三次元の形)」、「Typography(タイポグラフィー)」など、デザインをするときにこれらの要素を論理的に組み合わせていくことになります。
「物をひとつひとつの要素としてみるのではなく、全体を見て認識する」という人の知覚の傾向を原則化したものです。これを参考にしたデザインの配置を行うことで、理解を助ける効果が得られるとされています。
デザインのバランスに大きく影響する部分で、知覚のクセを利用して、より効果的にデザインを整列させていきます。
デザインの基礎となる4つのうちの「ゲシュタルト心理学」というのは、「私たちの思考は個々の情報の寄せ集めではなく、ひとつの集合体として情報をとらえて認知する」という立場の心理学のことです。デザインにおける「ゲシュタルトの法則」というのは、私たちが近いものや似ているものをグループ化したり、閉じた図形を見出そうとしたりする性向がある法則のことを意味します。反対に、デザインの全体像を把握することができず、デザインを構成する要素を部分的にしか見られなくなってしまった状態が「ゲシュタルト崩壊」です。
ゲシュタルト心理学の中でも、人間の知覚に関する法則のことを「プレグナンツの法則」といいます。デザインを作る際には、このプレグナンツの法則を取り入れるのが理想的です。では、その代表的な傾向について詳しく見ていきましょう。
知覚にあるいくつかの要素は、離れている要素同士よりも関係の深いグループを形成していると認識される傾向のこと。
例え一部分が欠けていたとしても、完成された一つの図を連想できるという傾向のこと。
同一の方向に動いているものは、止まっているグループよりもグループとして認識されやすい傾向のこと。
左右対称な図形ほど受け入れられやすいという傾向のこと。
連続性のあるものは、ひとつのまとまりとして受け止められやすいという傾向のこと。
色、形、大きさなどが似ている要素同士がグループとして受け止められやすい傾向のこと。
デザインによっても見た方に情報や感情の伝わり方が変わります。デザインを考える際には、ぜひゲシュタルト心理学を意識して、作成していきましょう。
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