フライヤーはイベントやサービス、商品の情報を手軽に伝えるための印刷物として、多方面で活用されています。情報が一目で伝わるように工夫されたデザインや、手にしてもらいやすい紙サイズ・紙厚の選定は、訴求力を大きく左右します。本記事では、フライヤーの作成において重要となる紙サイズと厚さについて、選び方のポイントや実践的なコツを詳しく解説いたします。
まずはフライヤーとチラシの違いを認識し、その特徴を把握することが紙選びの第一歩となります。どちらも広報や宣伝に使われる印刷物ですが、それぞれの歴史や用途によってサイズや厚さにも違いが見られます。
フライヤーは英語の「flyer」が由来で、空から撒くイメージが語源だといわれています。小型サイズでありながら、やや厚めの紙を用いて作られることが多いため、持ったときにしっかりとした感触が得られます。イベントや音楽会、ライブのお知らせなど、記念として手元に取っておいてもらいたい場面で活用されるのが一般的です。
一方、チラシは「散らす」という日本語から派生した言葉で、多数の人々に広く配ることを主目的としています。新聞折り込みやポスティングなど、マス向けに多くの部数を作成する場合に使われる印刷物であり、薄手の紙(70、73kg程度)が多用されます。コスト重視で大量印刷する際によく用いられるのが特徴です。
フライヤーは一般的にチラシほど大きくはなく、手に取りやすいサイズが好まれます。ここではA4、A5、A6といった代表的なサイズの特徴と用途を挙げます。
A4は情報量が多いフライヤーを作りたいときに向いています。パンフレットのように詳細情報をたっぷり盛り込みたい場合や、写真やイラストを大きく配置したい場合によく選ばれます。手触りのあるしっかりした紙でA4フライヤーを配布すれば、受け取った人の記憶にも残りやすくなるでしょう。
A5はコンパクトながら情報を人目で捉えやすいバランスの良いサイズです。持ち運びもしやすく、コスト面でもA4より安価に制作できることが多いです。イベントや飲食店の紹介、街頭でのクーポン配布などさまざまな用途で利用しやすいのが魅力と言えます。
A6は通称ポストカードサイズとも呼ばれ、手に収まりやすい大きさです。スペースが限られるため、キャッチコピーやビジュアルをギュッと凝縮したレイアウトに適しています。イベント案内やショップカードとしても広く使われており、インパクトのあるデザインで受け取った人の興味を引き付けられます。
紙にはさまざまな種類があり、それによってフライヤーの雰囲気や使い勝手が大きく左右されます。以下に代表的な種類と、その特徴を整理しました。
光沢紙は表面がツルツルとしており、カラー写真などが鮮やかに映える特徴があります。色の再現性に優れているため、写真やビジュアルを全面に押し出したいフライヤーに最適です。ただし、ボールペンなどで書き込みしづらいという面があるため、アンケートやメモ欄を設ける予定がある場合には不向きといえます。
マットコート紙は光沢を抑え、落ち着いた質感が特徴です。コート紙ほど派手さはないものの、指紋やキズが目立ちにくく、文字を中心としたデザインによく合います。シンプルで上品な印象を与えたいフライヤーや、会社案内のように文章量が多い場合に適しているといえるでしょう。
普通紙とも呼ばれる上質紙は、ザラっとした表面で筆記性に優れています。アンケートやメモの記入、スタンプ押印など、多目的に使えるフライヤーに向いています。また、自然な風合いを活かしたいデザインを取り入れたいときにもおすすめです。
紙厚は用紙の「kg表示」や「g/m²(gsm)」で表記されます。フライヤーでよく用いられる厚さの範囲を把握しておくと、目的に合わせた選択がしやすくなります。
コピー用紙ほどの厚さで、新聞折り込みチラシや大量配布用のフライヤーによく採用されます。コストを最優先する場合に有効ですが、高級感や存在感はやや控えめです。大量印刷が必要な場合に検討するとよいでしょう。
一般的なフライヤーやチラシに多く使われる厚さです。薄すぎず厚すぎないので、ちらつきや裏移りのリスクを低減し、扱いやすいのが特徴です。様々なデザインや配布方法に対応しやすいので、迷ったときにはこの範囲を基準にするのがおすすめです。
しっかりとした手触りで存在感があり、高級感を演出できます。街頭やイベント会場で配布する際に、受け取った人が「大事な情報が書かれているフライヤーだ」と感じやすくなるでしょう。ブランドイメージを向上させたい場面や、特別感を出したい場合に適しています。
本記事では、フライヤーにおける紙サイズや紙の厚さの選び方に焦点を当て、そのポイントをご紹介しました。フライヤーが持つ特性と、実際の配布シーンの目的を踏まえることで、最適な紙を選ぶことができます。
最終的には、実際にいくつかの紙でサンプル印刷を行い、仕上がりを確認してから本番印刷に臨むことをおすすめします。ぜひ本記事で得た知識を活かし、効果的なフライヤーを作成してみてください。
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