DTPという言葉は、1986年にPageMakerを発売した「米アルダス社のポール・ブレナード社長が初めて提唱した」、または、「米アルダス社の広告コピーとして使われた」の2説がある。このどちらかが最初とされている。
当初は、マッキントッシュ(Macintosh)という当時としては画期的であったWYSIWYG(What You See Is What You Get:画面で見たとおりに出力されること)を実現したパソコン上で、ページメーカー(PageMaker)というページレイアウトソフトを使って対話型編集をしページネーションしたデータを、ポストスクリプト(PostScript)というページ記述言語を使って、レイアウト通りにレーザーライター(LaserWriter)というレーザープリンタから出力し、それを版下に流用するという安価な簡易印刷システムとして登場した。
その後、パソコンの高機能化と画像編集ソフトやレイアウトソフトがカラー印刷へ対応し、印刷の入出力機器もDTPに対応していった。これによりDTPシステムは、デザインから制作、文字組み、製版、刷版までプリプレスの全工程をカバーするようになり、印刷のデジタル化を強力に押し進める原動力となった。このためDTPの意味も変化し、近年はデスクトッププリプレス(desk top prepress)とも表現されるようになった。
現在、DTPはプリプレス工程の世界標準となっている。印刷業界ではマッキントッシュが多いが、ウィンドウズ(Windows)によるDTP環境が整ってきている。