網点がたくさん並ぶということは、網点同士の間隔は狭くなり、網点のサイズも小さくなる。網点が小さくなるほど、人の目は点として認識できなくなり写真を見ているのと差がなくなる。一概にはいえないが、画像の再現性が上がり、きめ細かい表現が可能となる。
印刷する紙の質や印刷方法などによって適正なスクリーン線数は変わる。新聞などでは60〜80線、書籍や雑誌など1〜2色刷りの印刷物で100〜150線、ポスターやカタログ、カレンダーなどのカラー印刷では150〜200線、高級美術書などでは200線以上の線数を使用することが多い。
むしろスクリーン線数は、印刷の種類ではなく、その時使用する用紙や印刷機、刷版、インキなどの諸条件が線数に合っているかどうかという印刷適性によって決まるといった方がよい。新聞に使われるのは更紙であり、1〜2色刷りの書籍や雑誌では上質紙や中質紙、一般的なカラー印刷物ではコート紙、高級美術書などではアート紙などが主に使用されている。例えば新聞紙は更紙なので紙がインキを吸収しやすく網点が広がり太ってしまう。線数が65線と低ければ網点が大きいので多少太っても気にならないが、175線のような高い線数では網点の濃度が高いと網点同士がすぐにつながってしまい、階調再現ができなくなる。むしろ65線の方が階調が再現でき仕上がりは良好だったということになる。
このように、一概に線数を上げれば良いというものではない。特に使用する用紙の印刷適性は大きく影響するので、よく考慮してスクリーン線数を決めるべきである。
また、オフセット印刷やグラビア印刷では、150線以上が多く使用されるが、凸版印刷では150線以下が中心である。このようにスクリーン線数の違いは、印刷版式の違いからも起きている。