モアレ 【印刷用語集】

印刷用語集

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モアレ印刷資材



2色以上の印刷をする際、均等間隔で規則的に並んだ網点が互いに干渉しあうことで現れる幾何学的縞模様のこと。干渉縞ともいう。

原因は、網点が均等間隔で規則的に並んでいるためで、それが2色以上重なると互いに干渉し、モアレが発生する。

モアレを防ぐには、網点の並ぶ角度を調整しもっとも目立たない角度差に設定することである。その角度差は30°とされている。一般的には、まず一番重視する色版を主版とし、もっとも人が網点の並びを認識しにくく目立たない45°に設定する。次に重要な色版を副版として、主版の設定角度から30°角度差をつけて設定する。プロセスカラーでは、日本の場合肌色を重視する傾向があり、主版にマゼンタ版を設定するケースが多い。副版には残った3版のうち色の強いブラック、シアンの両版を15°と75°どちらかに設定している。欧米では墨版を重視することから、主版にブラック版を設定している。

網点は縦横水平垂直平行に並んでいるので、15°、45°、75°と30°ずつズラしていくと、また重なってしまうため、これ以上の版をモアレの目立たない角度に設定できない。残ったイエロー版を他の版と重ねると当然モアレは発生するが、イエローという色自体が網点の目立ちにくい色であるため回避できている。一般的には、0°や30°という角度に設定している。製版フィルムの検版時にイエロー版と他の版のフィルムを重ねるとモアレがあるが、実際に印刷してみると気にならない。

特色の2色や3色の掛け合わせによる印刷の場合でも原理は同じである。特色をプロセスカラーの4色に加えて使用する5色以上の多色印刷の場合は、モアレの発生を防ぐためベタ部分以外は色が重ならないように注意する。

○標準的な網点の角度設定
・単色(1色)印刷=45°
・2色印刷=主版45°、副版±30°どちらかにズラす(15°または75°)
・3色印刷=主版45°、副版15°と75°
・4色印刷=主版(マゼンタ)45°、副版15°、75°にブラック、シアン。
 モアレの目立たないイエローは0°または30°
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