ドットゲイン 【印刷用語集】

印刷用語集

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ドットゲイン印刷資材



刷版(印刷版)あるいは製版フィルム上に形成された網点の直径よりも、印刷時に紙に刷られたインキの網点の直径が大きくなる、つまり網点が太る現象をドットゲインという。物理(機械)的ドットゲインまたはメカニカルドットゲインともいう。これは刷版上の網点部分に付着したインキが、刷版から紙(あるいはブランケット)に転写される時にかかる圧力によって、押し潰され広がることによっておこる。ドットゲインの発生する主な原因としては、以下のようなものが挙げられる。

1.圧力の加え過ぎ(過圧)。 
2.印刷機の温度の上昇などによってインキが柔らかくなり過ぎたこと。 
3.インキを盛り過ぎてインキ膜厚が高くなったこと。 

単色印刷で考えると、「網点が太る」=「指定より濃度が高くなる」ということであるが、カラー印刷では、4色の版を順に刷り重ねていく。別々の版なので版ごとにドットゲイン量が異なってしまうと、「指定と色が違う」ことになってしまう。各版のドットゲイン量が揃うよう印刷機は常に調整されていなければならない。

また、インキ膜厚はスクリーン線数にほとんど関係せず同一の厚みなので、印圧が同じなら網点が広がる幅も変わらないことになる。したがって、スクリーン線数が高いほど網点は小さくなるにも関わらず広がる幅は一定であるため、線数が高いほどドットゲインによって網点の太る比率は高くなる。
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