校正記号(proofreader's mark, correction mark) 【印刷用語集】

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校正記号(proofreader's mark, correction mark)校正



校正時に、訂正指示をできるだけ簡略に表記するために作られた記号が校正記号であり、校正刷りの紙の上に赤色の筆記用具で書き込んで使用する。1965年に和欧文で共用して使える校正記号として制定され、2007年に改正された日本工業規格のJIS Z 8208が、日本の校正記号の基準である。

校正記号の記入方法には2種類あり、日本で用いられた、訂正箇所から導線を引き出して端末に赤字を記入するガイドラインシステムと、欧米で用いられた、訂正箇所に斜線かしるしを付けて導線は引かず同行の左右の空白部分に訂正指示を書くブックシステムがある。

・校正記入の注意点
1 校正に使用する記号は、JIS校正記号に準拠して記述する。
2 訂正する赤字は、他の文字と重ならないよう余白に書く。また、誰でも読めるよう楷書体で書く。
3 赤字箇所から訂正する赤字を書く余白の位置まで、ガイドライン(導線または引き出し線などともいう)を引き出す時は、基本的にはマージンもしくは他の余白に向かって斜めに引くようにする。近くに赤字箇所が複数ある場合は、ガイドラインが交差しないよう注意する。
4 赤字箇所は塗りつぶさず、文字が判読できるよう短い斜め線を1本引き、その中心からガイドラインを引き出す。
5 文字サイズや長さの指定を含む赤字に数字を入れる場合は、「12ポ」や「5mmアキ」のように基本的にはアラビア数字を使用する。倍角(クワタ)や字間アキの併用記号を使う時は、漢数字の方が本文と区別しやすければ「三倍」、「二分」、「四分」と表記してもよい。
6 赤字の併用記号として使う文字は、赤字の訂正語句と混同しないように、「トル」、「イキ」のようにカタカナで書く。
7 旧字と新字の間の訂正をする時は、赤字の訂正語句に字体を正確に記入する。これだけでは分かりにくいので、注意を引くよう「旧○」や「新○」の丸付き文字も、併記する。
8 赤字箇所に訂正を書き込んだ後で、直さなくてよいことに気づいた時は、赤字を線で消してイキと注記し直すことで、訂正取り消しの意味になる。

・校正作業中のチェックポイント
価格などの数字表記や人名、社名などの固有名詞などは、特に注意して1文字ずつ指で押さえながらチェックする。これらに誤りがあったまま印刷され納品されると、大きなトラブルとなり損害賠償の問題となることもあるので注意が必要である。
ページ物の場合は、柱の体裁の不統一がないかや、ノンブルが指定通りの体裁で通しノンブルとなっているかなど、全体を通してチェックする。また、改丁や裏白、改ページも指定通りになっているかチェックする。
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