2019年10月1日に消費税が10%に引き上げられ、
同時に軽減税率制度もスタートします。
印刷においてはどのような注意が必要なのでしょうか。
価格表記、総額表示、訂正方法を説明します。
更新日:2019/08/29
2014年4月に消費税8%に引き上げられ、2015年10月には10%に引き上げられる見込みでした。
しかし、増税による影響が勘案された結果、政府により2度に渡り増税は先送りされました。
今回、前回の増税から5年半ぶりとなる、2019年10月1日に消費税が10%に引き上げられます。
消費税が引き上げられて税率が10%になるだけではなく、同時に軽減税率制度が導入されます。
主に飲食料品を扱う際の価格表示に関して、注意が必要となります。
「軽減税率」と「価格表示」の2つのポイントについて、印刷物の作成や価格表記する際にも関係しますので、よく確認しておきましょう!
軽減税率とは、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象として消費税8%を適用する制度です。消費税の10%への税率引き上げに伴う低所得者への配慮の観点から導入されたものです。
その中でも、特に分かりにくい外食については細かく定義されています。
品目 | 軽減税率8% | 標準税率10% |
---|---|---|
飲食店・ファーストフード | テイクアウト | 店内飲食 |
コンビニのおにぎり・サンドイッチ | 通常購入 | イートインで食事 |
そば屋 | 出前 | 店内飲食 |
学校給食 | ◯ | |
学生食堂・社員食堂 | ◯ | |
老人ホームなどの食事 | ◯ | |
酒類 | ◯ |
品目 | 軽減税率8% | 標準税率10% |
---|---|---|
新聞 | 定期購読(週2回以上) | 電子版・コンビニでの購入 |
詳しくは「中小企業庁 消費税 軽減税率 まるわかりBOOK 7ページ目(PDF)」をご確認ください。
軽減税率の適用対象品目の価格表示については、消費者庁・財務省・経済産業省・中小企業庁から具体例が発表されています。
メニュー | ||
品目 | 店内 | 出前 |
---|---|---|
ざるそば | 660円 | 648円 |
ジュース | 220円 | 216円 |
メニュー | ||
品目 | 店内 | (出前) |
---|---|---|
ざるそば | 660円 | (648円) |
メニュー | ||
品目 | 税抜価格 | 税込(店内/出前) |
---|---|---|
ざるそば | 600円 | (660円/648円) |
ジュース | 200円 | (220円/216円) |
メニュー | |
品目 | 店内 |
---|---|
ざるそば | 660円 |
ジュース | 220円 |
※出前の場合、税率が異なりますので、別価格となります |
出前メニュー | |
品目 | 価格 |
---|---|
ざるそば | 648円 |
ジュース | 216円 |
※店内でお召し上がりの場合、税率が異なりますので、別価格となります |
出前メニュー | |
品目 | 価格 |
---|---|
ざるそば | 600円+48円 |
ジュース | 200円+16円 |
※店内でお召し上がりの場合、税率が異なりますので、別価格となります |
メニュー | |
品目 | 税込価格 |
---|---|
ざるそば | 660円 |
ジュース | 220円 |
パターン3の場合は、ひとつの税込価格を表示するという点で、シンプルでわかりやすい表記になります。
しかし、テイクアウト・出前等と店内飲食とで適用税率が異なることに変わりありませんので、下記のような点に注意して表記する必要があります。
2013年10月1日から2021年3月31日までの間、総額表示義務(消費者に商品の販売やサービスの提供等を行う場合に、消費税額を含めた価格を表示する義務)が緩和され、次の2つの特例(外税表示・税抜価格の強調表示)を利用することが認められています。
総額表示 |
---|
1,100円(税込) |
1,100円(税抜価格1,000円) |
1,100円(消費税額100円) |
商品毎に価格表示する場合 |
---|
1,000円(税抜) |
1,000円+税 |
1,000円(本体価格) |
1,000円+100円(税) |
一括して表示する場合 |
---|
1,000円 1,200円 2,000円 |
(価格は全て税抜き表示です) |
明瞭に表示されている例 |
---|
1,000円(税込1,100円) |
1,000円(税込1,100円) |
1,000円(税込1,100円) |
明瞭に表示されていない例 |
---|
1,000円(税込1,100円) |
1,000円(税込1,100円) |
1,000円(税込1,100円) |
極端に小さく、変形させる、色を薄くする等の視認性を著しく悪くする表示は認められません。
軽減税率と価格表示について説明しました。
しっかりと理解して、対応漏れがないようにしましょう。
印刷物の価格表示が消費税増税前の表示であったり、価格に誤りがあった場合には
印刷物を訂正しなければいけません。
訂正の箇所数、かかる費用、必要な納期、作業の時間などを考慮して訂正の方法を考えましょう。
訂正の方法には、訂正シールによる対応と印刷物の制作し直しがあります。
訂正が1箇所の場合、訂正部分1箇所のデータをご用意いただくだけでご注文いただけます。
(訂正が3箇所の場合、3箇所分のご注文が必要です)
訂正箇所が複数箇所の場合、B4サイズに訂正箇所を面付けしてご注文ください。
(オンデマンド印刷はB4シート限定、オフセット印刷はA2〜A6シートから)