
とある印刷営業のめんつゆ奮闘記
「バンフーさんって、めんつゆも作れますか?」
お客様からいただいたこの一言が、今回のきっかけでした。
普段、バンフーが手がけているのはポスターやパンフレット、パッケージ、販促ツールなどの印刷物がメインです。そんな私たちにとって「めんつゆ」という言葉は、全く馴染みのないものでした。
これは、いち印刷会社の営業であるSさんが、普段とはかなり勝手の違うご相談に向き合い、試行錯誤しながら納品までたどり着いた一つの記録です。Sさんへのインタビューも交えながらお届けしたいと思います。
それでは、「とある印刷営業Sのめんつゆ奮闘記」、はじまりはじまり~
「できません」ではなく
「できる方法」を探してみる

今回の主役、営業Sさん
「めんつゆ作れますか?」というかなり予想外のお客様からの相談に、当然戸惑いがあったと言います。
「最初は“どうしよう”と思いました。
元々はイベント用の販促物やグッズ制作のご相談だったのですが、打ち合わせの中で“めんつゆも作れますか?”と聞かれて。以前からお客様へ『うちだったらなんでもできます!』とご案内はしていたのですが、めんつゆのご相談をいただくことは想像していませんでした。(笑)」
お客様へ案件の詳細を聞き込んでいくと、人気アーティストの企画としてすだちそばに絡めたグッズを展開したいという背景がありました。
「すだちに関連するグッズを作りたいという話があって、“香り系(すだちの香りのするもの)にするか、いっそ食品にするか”という検討の中で、最終的にめんつゆでいこう、という流れに、お客様サイドでなったそうです。」
めんつゆが作れるかどうか。
その場で即答できる内容ではありません。
「正直、その場では“できます”とは言えなかったですね。
でも、せっかくご相談をいただいたし、“できません”で終わらせるのも違うなと思って、一度持ち帰って方法を探してみることにしました。」
できるかどうか分からない。
それでも、一度考えてみる。
その判断が、今回の出発点になりました。
社内がざわついた、、、
このお客様からのご相談を社内で共有したとき、やはり最初に上がったのは驚きの声だったとか。
「めんつゆって、あの“めんつゆ”!?」
「ラベルの話じゃなくて、つゆ本体…液体???」
印刷会社として、食品そのものの製造に関わる機会はほとんどありません。
何度も何度も「本当に中身から作る話なのか?」と社内で確認が入るたび、これまでにないタイプの相談だということを実感したそうです。
ただ、バンフーでは「印刷の枠を少し越えたご相談」をいただくことは少なくありません。(過去には家具を購入したり、コンクリートを運んだり、、、)
それらのご相談をいただいたとき同様に、今回も「まずはどうすれば実現できるのかを考えてみよう」という流れで話を進めることにしたそうです。
「今までも先輩方が様々な印刷物ではない案件のご相談を受けては完遂されていたのを知っていました。なので、きっと食品製造の知見を持っている先輩もいるだろう!と思って沢山の先輩に相談したんです。でも、その知見のある先輩、1人もいませんでした!(笑)」
一番のハードルは「そもそも作れるか」
今回の案件で最も苦労したことを聞くと、
「めんつゆを作れる環境を見つけること」と即答してくれました。
「まず、“どこで作れるのか”を探すところからでした。
既製品で対応できないかとも検討したんですが、条件に合うものはなかなか見つかりませんでした。」
最終的には、OEMで製造する形に。
「OEMだと、味や仕様を一から決めていく必要があるので、そこも大変でした。
今回はなんとかご協力いただける会社さんを見つけることができたので、まずはその会社さんへ味の要望を伝えてめんつゆのベースを作っていただきました。そのベースをお客様へ試食していただき、理想の味へ近づけるべく微調整をしていきました。」
スケジュール面でも苦労があったそうです。
「めんつゆの販売方式が受注販売だったので、発注数が確定するのがどうしても納品直前になってしまって。その関係で納期の調整がかなりシビアだったのは印象に残っています。」
普段とは違う条件の中で、関係各所と調整を重ねながら進めていかなければならない。まさに「段取り力」が問われる対応が必要になりました。

味の調整段階のめんつゆ。印刷営業らしく『めんつゆの校正』とSさんは言ってました。(笑)
めんつゆだけでは終わらない対応に
最終的に対応したのは、めんつゆだけではありませんでした。
今回制作させていただいたのは、
・めんつゆ(つゆ本体)
・めんつゆラベル
・どんぶり&お箸のセット
・Tシャツ
・ステッカー
もともとのグッズ制作の流れもあり、めんつゆを中心に関連するアイテムもあわせて制作させていただきました。
印刷会社として、ラベルやステッカーの制作はもちろん得意分野です。どんぶりやお箸も印刷会社ではレア案件にはなりますが、実績がゼロではなかったこともあり、手配の困難さはめんつゆの比ではなかったそうです。(とはいえ、完成までにはなかなかの苦労もあったようです。それはいつか機会があればそちらで、、、)
こうしてめんつゆ本体を含むツールすべてを無事納品することができたのでした。

Sさんが今回手配したもの一式
いざ、実食!!

完成しためんつゆ。
社内でも「どんな味なんだろう?」という話になったので、試食してみることにしました。
お蕎麦を用意して、、、いただきます!

写真のお蕎麦とおうどんは、Sさんと取材班でしっかり完食いたしました。ごちそうさまでした!
「美味しい!とっても美味しいです!」
取材班もいただいてみました。
食べる前にまずは香りから。
めんつゆ自体の香りはすだちの爽やかさがほんのりと感じられます。いいですね!
口に入れると、しっかりとしたかつおなど魚介だしの旨味とすだちの酸味が広がりました。美味しいです!
これを印刷営業が手配したとは、、、驚きです。
「やったことのない仕事」をやり切った
商品が完成したときのことを、Sさんはこう振り返ります。
「素直に嬉しかったですね。
バンフーで今まで誰もやったことのないことを、自分なりに形にできたという達成感がありました。」
そして印象に残っている点として、こんな言葉もありました。
「“めんつゆを作った”という事実自体が、すごく印象に残っています。」
印刷会社の営業として働く中で、まさかめんつゆを作ることになるとは。
そんな予想外の経験となった、今回の案件でした。
「お客様にも満足いただけたようで、今違う案件のご相談もいただいています。今回も一筋縄ではいかなさそうな案件ではあるのですが、精いっぱい頑張りたいです!」
印刷会社がめんつゆを作るということ
印刷会社がめんつゆを作る。
少し不思議に感じられるかもしれません。
ただ今回のめんつゆ制作は、お客様からの「こんなこと、できませんか?」というご相談に対して、どこまで応えられるかを考え、真摯に向き合った一つの例に過ぎません。
確かに、扱ったものはめんつゆという、印刷会社としてはかなり珍しいものでした。しかし、「お客様の想いをカタチにしたい」という気持ちでご相談に向き合うこと自体は、バンフーでは決して特別なことではありません。
今回の対応もまた、その特別ではないことのひとつにすぎません。
バンフーではこれからも、印刷物の枠にとらわれることなく、
お客様の「こうしたい」という想いに向き合いながら、カタチにする方法を探し、提供していきます。
めんつゆ制作は、その姿勢を象徴する事例のひとつとなりました。

Sさん、お疲れ様でした!
