
なぜ営業は「何のために作るんですか?」と聞くのか
ー納品して終わりではなく、「使うその日」まで考えたいから
「A4のチラシを1,000枚作りたいんです」
「展示会用の資材を準備したくて」
お客様からこのようなお問い合わせをいただいたとき、私たちはサイズや部数、色数などを確認した後に、よくこんな質問をさせていただきます。
「いつ、どこで使いますか?」
「何のために作りますか?」
お客様によっては、「作りたいものはもう決まっているのに、なぜそこまで細かく聞くんだろう?」と感じられるかもしれません。もちろん、正確なお見積もりを作成するための確認でもあります。
でも、それだけではありません。
せっかくご相談いただいたのだから、印刷物を納品して終わりではなく、実際に使うその日まで気持ちよく使っていただきたい。
そんな思いから、少しおせっかいに感じられるかもしれませんが、用途やスケジュール、その背景まで伺うようにしています。
今回は、バンフーの営業メンバーがこれまでの経験を通して学んできた、「背景を伺うことの大切さ」をご紹介します。
「売る」だけでなく、その先まで一緒に考えたい
ー営業 Hさんの場合ー
「展示会用のロールスクリーンバナーを作りたい」というご相談をいただいたときのことです。
仕様通りに納品を終え、その時点では、このご依頼は無事に完了したと思っていました。ところが実際にお客様が使用されたのは、数か月後でした。

営業Hさん
ロールスクリーンバナーは、長期間保管すると巻き付け部分が貼り付いてしまい、開きにくくなることがあります。
当時は、そこまで期間が空くとは思っていませんでした。そのため、保管方法や使用前の確認についてお伝えすることもなく、結果として、お客様にご不便をおかけしてしまいました。
「せっかく作っていただいたのに、使う日に困らせてしまった。」
その経験は、今でも印象に残っているそうです。
この出来事をきっかけに、Hさんは「ご依頼いただいたものを納品して終わりではなく、どう使われるのかまで考えることも営業の仕事なんだ」と思うようになりました。
だから今では、「いつ使いますか?」という質問を、以前よりも大切にしています。
届いたその日のことまで、一緒にイメージしたい
ー営業 Yさんの場合ー
大量の印刷物を納品した案件でのことです。
納品先はオフィスビルの15階。納品物は数パレット分という大きな物量でした。

営業Yさん
事前に「これくらいの量になります」とお伝えし、自分なりに準備もしていました。
しかし実際に搬入が始まると、地下搬入口からエレベーターで何度も往復する必要があり、想像以上に時間も人手もかかりました。
お客様も、「思っていたよりずっと多い…」と戸惑われ、現場は慌ただしい雰囲気になってしまいました。
Yさんが反省したのは、「伝えた」ことではなく、「同じイメージを持てていたか」ということでした。
物量や搬入の大変さは、言葉だけではなかなか伝わりません。
それ以来、納品する物量が多い案件では、搬入ルートや保管に必要なスペース、当日の流れまで、お客様とできるだけ具体的に共有することを心掛けています。
「知らなくて当然」のことだからこそ、お伝えしたい
ー営業 Sさんの場合ー
Sさんに話を聞くと、「お客様が知らなくても当然のことって、本当にたくさんあるんです」という言葉が返ってきました。例えば、

営業Sさん
東京ビッグサイトやインテックス大阪などの展示会では、防炎ラベル付きの布製品でなければ使用できない場合があります。
厚盛ニス加工をきれいに仕上げるためには、マットPP加工が必要になることがあります。
LIMEX素材のクリアファイルには、決められた表示を入れなければならないルールがあります。
どれも印刷や展示会の仕事ではよく知られていることですが、お客様にとっては初めて知る内容ばかりです。もし事前に分からなければ、当日になって困ってしまうかもしれません。
だからSさんは、
「どこで使いますか?」
「どんな加工を考えていますか?」
という質問を大切にしています。知らなかったことで困る人を、一人でも減らしたい。
そんな思いで、お客様のお話を伺っています。
まとめ|私たちが知りたいのは、「作るもの」の先にあることです
今回、営業メンバーに話を聞いてみると、それぞれが違う経験を通して、違うことを学んでいました。
使う日。
納品した後。
会場のルール。
見ているポイントは少しずつ違います。
でも共通していたのは、印刷物を納品することではなく、お客様がそれを実際に使う場面まで思い浮かべていたことでした。
だから私たちは、
「何を作りますか?」
「何のために作りますか?」
「いつ、どこで使いますか?」
とお聞きすることがあります。
せっかくご相談いただいたのだから、その場でお見積もりをお出しして終わりではなく、お客様にとってより良い形を一緒に考えたい。そんな思いがあるからです。
だから、
「何を作ればいいかは、まだ決まっていない。」
「やりたいことはあるけれど、どんな方法がいいのか分からない。」
そんな状態でも、まったく問題ありません。最初から答えが決まっていなくても大丈夫です。まずは、やりたいことや困っていることをお聞かせください。
お話を伺いながら、一緒に整理し、形にしていければと思っています。

