
工場入口のモニターには何が表示されている?電力の「見える化」を調べてみました
バンフーの竹橋プリンティングセンター入口には、使用電力を表示するモニターを設置しています。
竹橋プリンティングセンターが電力の見える化を行っていることは以前から知っていましたが、どのような情報が表示されているのかまでは細かく把握していませんでした。
私はお客様の工場見学に同行することがありますが、その際は見学時専用の画面が表示されていることが多く、普段の画面を見る機会があまりなかったのです。また、モニターは階段へ向かう途中に設置されているため、日頃から目にしていたものの、どのような情報が表示されているのかをじっくりと確認する機会はありませんでした。
実は以前から「何が表示されているのだろう?」と気になっていたものの、そのままになっていました。
今回あらためて確認してみると、以前見た記憶のあるグラフ中心の画面とは変わり、工程ごとの電力使用量がひと目で分かる表示になっていました。
「どの設備がどれくらいの電力を使っているのだろう?」
そんな疑問から、竹橋プリンティングセンターで進めている電力の見える化について調べてみることにしました。
このモニターは何を表示しているの?
モニターに表示されているのは、工場内の各工程や設備の電力使用量です。
オフセット印刷機、製本設備、加工機、デジタル印刷機など、機械ごとの使用電力をモニター上で確認できるようになっています。実際に見比べてみると、「どこでどれだけ電力を使っているのか」が以前より直感的に把握しやすくなったように感じました。
この仕組みを支えているのが、工場で導入している電力見える化システムです。
上は以前の画面で、下は今の画面です。
どのエリアでどのくらい使われているのかがわかりやすくなっていました。
なぜ電力を見える化しているのか
工場長に確認したところ、電力見える化システムを導入した背景には、将来的なカーボンニュートラルへの取り組みがあるそうです。電力使用量を把握することは、CO₂排出量を把握することにもつながります。
また、バンフーではサプライチェーン全体のCO₂排出量を把握するためのシステム※も導入し、環境負荷の見える化を進めています。電力の使用量を把握することは、CO₂排出量を把握することにもつながります。こうしたデータを蓄積し、改善につなげていくことが、環境負荷低減への第一歩となります。
グリーンプリンティング認証やISO14001(環境マネジメントシステム)とあわせて、環境に配慮したものづくりを支える仕組みの一つとして活用されています。
※このシステムはゼロボードのことを指しています。詳細は別の機会にお届けできればと思います!!

環境配慮の取り組みの一つとして、バンフー工場はGP認定工場にも登録されています。
グリーンプリンティング認定工場
認証番号:E10010
認証取得日:2022年12月
認証情報:https://www.jfpi.or.jp/greenprinting/gp_detail/id=2118
見える化して初めて分かったこと
竹橋プリンティングセンターでは数分ごとに電力データを取得・更新しているそうです。その結果、これまで気づきにくかったことも見えるようになりました。
例えば、作業者がいない時間帯にも電力を消費している設備や、待機電力の高い設備です。工場長によると、こうしたデータをもとに、休憩時や退勤時に一部設備の電源を切る運用を行うようになったとのこと。
見える化によって、「なんとなく節電する」ではなく、「どこを改善すれば効果があるのか」を把握できるようになりました。
どこに計測器がついているのかしら…と気になり、場所を教えていただきました。


「1台止めた」が「800kWh削減できた」に変わった
工場長の話で印象的だったのは、「判断の仕方が変わった」という点でした。
以前は印刷機を停止しても、「今日は1台止めた」という認識だったそうです。しかし現在は、停止によってどれくらいの削減効果があったのかを数字で把握できます。
例えば、オフセット印刷機を1日1台停止すると約800kWhの削減につながります。これは一般家庭約2〜3世帯分の1か月の電力使用量に相当する規模です。数字で効果を把握できるようになったことで、管理者の省エネ意識向上にもつながっているとのことでした。
また、設備更新の際にもデータが活用されています。
2024年に導入したシュリンク包装機は、導入前に新旧設備の消費電力を比較し、使用電力も考慮したうえで機種選定が行われました。
性能や生産性だけでなく、環境負荷の視点も設備選定の判断材料になっています。
積み重ねが削減につながっている
こうした取り組みの結果、2025年1月から5月までの使用電力量は、2022年同期比で24.1%削減されました。大きな施策を一つ実施した成果というよりも、日々の改善を積み重ねた結果といえそうです。
モニターに表示される数字は単なる記録ではなく、改善のヒントでもあることが分かりました。
環境配慮の第一歩は「無駄をなくすこと」
工場長が考える、環境配慮の第一歩について聞きました。
竹橋プリンティングセンター 生産本部部長
城所さん
環境配慮というと特別な設備や新しい技術をイメージされるかもしれませんが、まず大切なのは無駄をなくすことだと考えています。
例えば、刷り直しや作り直しが発生すれば、その分だけ紙やインキ、電力などの資源を消費します。
電力の見える化もその一環です。工場全体のCO₂排出量を把握し、目標を定め、働く人全員が意識を持ちながら改善を積み重ねていくことで、環境負荷の低減につなげていきたいと考えています。
まとめ
今回調べてみて分かったのは、環境配慮は特別な設備や新しい技術だけで実現するものではないということです。
日々の電力使用量を把握し、無駄を見つけ、改善を積み重ねる。
そうした小さな取り組みの積み重ねが、竹橋プリンティングセンターの環境配慮活動を支えています。
竹橋プリンティングセンター入口のモニターには、そんな現場の取り組みが映し出されていました。
これから竹橋プリンティングセンターを訪れる機会がありましたら、ぜひ一度モニターの表示にも注目してみてください。
工場見学でモニターを見に行く
バンフー竹橋プリンティングセンターでは工場見学を実施しております。是非お越しください!

