
【検証】特殊紙印刷の白引きは何回必要?オフセットとオンデマンドで刷り比べてみた
推し活グッズやカード、シールなどで、ホログラム紙や色付きの紙といった「特殊紙」への印刷を検討されるケースが増えています。こうしたいわゆるスペシャリティーズの用紙は、印刷物に特別感を出せる人気の素材です。
一方で、通常の紙とは異なり、仕上がりに影響するポイントがいくつかあるのも特徴です。
その中でも特に重要なのが、「白引き(ホワイトインク)」です。
今回は実際にテスト印刷を行い、
オフセット印刷
オンデマンド印刷
で白引きの違いによる見え方の変化を比較してみました。
・特殊紙に印刷したいが、白引きが必要か迷っているとき
・見積前に仕様(白1回か2回か)を検討しているとき
・仕上がりのイメージを事前に確認したいとき
・オフセットとオンデマンドで迷っているとき
そんなときに参考にしていただければと存じます。
特殊紙印刷は「白引き」が前提
特殊紙の中でも、今回使用しているような
・色付き
・メタリック
・パール
・ホログラム
といった特徴を持つ紙は、CMYKのみで印刷すると、紙の色や柄の影響を強く受けてしまいます。
例えば
赤 → くすむ
青 → 濁る
黄色 → 見えにくい
といった現象が起きます。
特殊紙印刷では、白引きを入れていても、「思ったより透けてしまった」と感じるケースがあります。特にオフセット印刷では、白1回では隠蔽力が足りず、紙の色や柄の影響を受けてしまうことがあります。こうした違いを事前に把握しておけると安心です。
そこで使われるのが、白引き(ホワイトインク)です。
印刷のイメージはこのようになります。
紙
↓
白インキ
↓
カラー印刷
先に白を敷くことで、紙の影響を抑えてカラーを表現することができます。
今回のテスト印刷の条件
今回の検証では、以下の条件でテスト印刷を行いました。

■使用紙
スペシャリティーズ ホログラム No.702-1
※スペシャリティーズは五條製紙株式会社が展開する、パール調または、メタリック調特殊紙のブランドネームです。

■絵柄
このデザインです。
右下の%は、白の濃度を表しています。
■印刷条件
▼オフセット印刷
・白引き 1回
・白引き 2回
それぞれについて、白濃度 0%〜100% を20%刻みで印刷しています。
▼オンデマンド印刷
・白引き 1回
こちらも同様に、白濃度 0%〜100% を20%刻みで出力しました。
同じデータを使用して、白の回数と印刷方式による見え方の違いを確認しています。
※通常、バンフーで特殊紙にオンデマンド印刷で白+CMYKの出力をする場合は、白の濃度は80%を上限としております。これまでの社内でのテスト出力の結果、4cの発色が一番よくなるのがこの濃度だからです。今回は検証のため、あえて100%の濃度も入れております。
使用する機械によって条件が変わりますので、詳しくは担当営業までご相談ください。
オフセット印刷:白1回と2回の違い
まずはオフセット印刷の比較です。
今回のテストでは
白1回
白2回
のパターンを作成しました。
まずは白1回の結果がこちら。

白2回の結果がこちら。

今回のテストでは、白版の濃度を、0%〜100%(20%刻み)で作成しています。白濃度が低い部分では紙の柄が透けて見え、濃度を上げるほど紙の影響が抑えられます。
白引きは「透けるかどうか」だけでなく、デザインの見え方そのものにも影響する要素です。
濃度100%の部分で、1回刷りと2回刷りを比較します。
白1回刷り 濃度100%


白1回の場合は、ホログラム紙の柄や反射がやや透けて見えます。
白2回刷り 濃度100%


一方、白2回では白の隠蔽力が上がり、紙の影響が大きく抑えられます。しっかり色を出したい場合は、白2回の方が安定した仕上がりになりやすい結果となりました。
「白引きを入れれば大丈夫」と思われがちですが、オフセット印刷の場合、白1回では透けることが多いです。
理由は、オフセットの白インキは隠蔽力がそこまで強くないためです。
そのため、オフセット印刷は白2回以上が基本と考えるケースが多くなります。
一方で、あえて紙の質感やキラキラ感を活かしたい場合は、白1回という選択も有効です。
オフセットとオンデマンドでも白の出方が違う
同じデータを使用し、印刷方式でも比較を行いました。
オンデマンド印刷の結果

オンデマンド印刷は、1回刷りでも白インキの隠蔽力が高いです。表面にトナーを固着させる印刷方法によるものと思われます。
結果として、
▼オフセット印刷
・白がやや透けやすい
・白2回以上が目安
▼オンデマンド印刷
・白の隠蔽力が強い
・1回刷りでも比較的しっかり白が出る
という違いが見られました。
同じ「白引き」でも、印刷方式によって仕上がりが変わる点も覚えておきたいですね。
白を何回も引けば良いというわけではない
では、白は多ければ多いほど良いのか?
というと、そう単純でもありません。
印刷機に用紙を複数回通すことで、紙に擦れや細かい傷が付く可能性があります。特に柄のない特殊紙では、こうした傷が目立つことがあります。
そのため
白1回 → 薄い可能性
白2回 → 実務的にバランスが良い
白3回 → 状況によって検討
という考え方が良いかと存じます。
見積りの段階で白回数を決めるのがおすすめ
もう一つ大切なのが、見積り段階で白の印刷回数を決めておくことです。
特殊紙印刷では
・白回数の増加
・印刷工程の増加
によってコストが変わります。
途中で仕様変更が発生すると
・見積変更
・社内承認のやり直し
といった手間につながることもあります。
そのため最初から白2回を前提に設計するという考え方も一つの方法です。
まとめ
特殊紙印刷では
・白引きは基本的に必要
・オフセット印刷は白2回が一つの目安
・オンデマンドは1回でも比較的しっかり白が出る
・白濃度によって見え方や発色が変わる
・回数を増やしすぎると紙への影響が出る可能性がある
という特徴があります。
仕上がりは、紙・白回数・印刷方式によって変わります。そのため、用途やデザインに応じて、事前に仕様を検討することが重要です。
今回の刷り比べサンプルが、特殊紙印刷を検討する際の判断材料として参考になれば幸いです。
・白引きの回数で迷っている
・仕上がりイメージを確認したい
・サンプルを見て検討したい
といった場合は、お気軽にご相談ください。
営業が用途に応じた最適な仕様をご提案いたします。
