
【完全ガイド】オリジナル立体シール(ポッティング加工)の作成方法|価格・失敗しないポイント
立体感のある“ぷっくり”とした見た目が特徴の立体シール。ノベルティや物販グッズ、ブランドロゴなど、オリジナルデザインで制作するケースも増えています。ひとくちに立体シールといっても、加工方法はいくつかあり、仕上がりや価格、適した用途は大きく異なります。
本記事では、その中でもお問い合わせの多い「ポッティング加工」に焦点を当て、
・立体シールの基礎知識
・ポッティング加工の特徴
・価格の決まり方
・よくある失敗と注意点
を、制作現場の視点でわかりやすく解説します。これから立体シールを作りたい方が「あとで困らない」ための完全ガイドです。
後半では実際にポッティングシールを作成してじっくり観察してみましたので、是非一番下までお楽しみください。
目次[非表示]
立体シールとは?まず知っておきたい基礎知識
立体シールとは、表面に厚みやドーム状の立体感を持たせたシールの総称です。
一般的な平面シールと違い、
・光沢感が強い
・高級感が出る
・耐久性が上がる
・視認性が高い
といった特徴があります。ブランドロゴやキャラクターグッズ、企業ノベルティなどで使われることが多く、見た目のインパクトを重視する場面に適しています。
立体シールの主な加工方法
立体シールには、立体の出し方によっていくつかの方法があります。
樹脂加工(ポッティング・ドーミング)
立体シールの中でも、特に存在感と高級感を出しやすい代表的な加工方法です。
仕組み:
印刷したシールの表面に透明な樹脂(エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂)を垂らし、自然な表面張力でドーム状にぷっくりと盛り上げて硬化させる加工方法です。
特徴:
表面がツヤツヤしており、ガラスのような透明感がある。ウレタン樹脂の場合、弾力がありキズがつきにくい特徴があります。耐候性が高く、ロゴマークやエンブレムによく使われます。
おすすめ:
ブランドロゴのプレミアムノベルティ、キャラクターステッカーなど。
スポンジ(ウレタン)加工
いわゆる「ぷくぷくシール」として、昔から親しまれているタイプです。
仕組み:
シール素材と接着面の間に、数ミリ厚のスポンジ(発泡ウレタンなどの発泡素材)を挟み込んでプレスします。
特徴:
とにかく軽く、押すと「フカッ」とした独特の感触がある。厚みを出しやすく、存在感が抜群。コストが比較的抑えやすく、お子様向けやファンシー雑貨に強い。
おすすめ:
お子様向けイベント、ポップなデザインのバラエティグッズ。
UV厚盛り印刷(UV DTFなど)
最近注目されているのがこの技術です。
仕組み:
UV(紫外線)で硬化する特殊なインクを、何層も重ねて印刷することで段差を作り、立体感を表現します。
※透明樹脂で全体をコーティングする加工(ボンボンドロップ®など)とは構造が異なります。
特徴:
「ここだけ盛り上げる」という細かい指定(部分ニスのような表現)が可能です。樹脂をかけないため、比較的フラット寄りの立体感が出せます。比較的細かいデザインとの相性がよいです。「UV転写シール」として、ロゴやワンポイントを立体的に見せる用途が増えています。
おすすめ:
スマホデコ用シール、小さめロゴ、複雑なイラスト表現など。
エンボス(浮き上げ)加工
紙やアルミホイル素材によく見られる、上品な加工法です。
仕組み:
金型で裏側から圧力をかけ、特定のデザイン部分を浮き上がらせます。
特徴:
インクや樹脂を使わず、素材そのものを変形させるため、非常に上品です。箔押し(金・銀)と組み合わせることで、高級なギフトシール感が出ます。
おすすめ:
記念品の封緘(ふうかん)シール、化粧品やワインのラベル風ノベルティ。
立体シールは、使用する素材や加工方法によって仕上がりや特性が大きく異なります。その中でも近年、ノベルティや物販用途で特にお問い合わせが増えているのが、透明樹脂を使用したドーム状の加工方法です。見た目のインパクトと扱いやすさのバランスがよく、さまざまなデザインに対応しやすいことから、現在もっとも採用される機会の多い仕様のひとつです。
本記事では、この「ポッティング加工」を中心に、具体的な作成方法や価格、注意点を詳しく解説していきます。
立体シール(ポッティング加工)の価格はどう決まる?
オリジナル立体シールを制作する場合、価格は仕様によって大きく変わります。
✔ サイズ
面積が大きいほど樹脂量が増えるため単価が上がります。
✔ 数量(ロット)
小ロットは割高になりやすく、数量が増えるほど単価は下がります。
✔ 形状
複雑な形状は型代や加工の手間が増えます。
✔ 樹脂の種類
樹脂の選択は、ノベルティの「寿命」と「見た目」を左右する非常に重要なポイントです。
バンフーでは、高品質・高耐久のウレタン樹脂をおすすめしております。

バンフーでの実際のご相談事例
バンフーでのポッティングご提案事例を一つご紹介いたします。

営業3課
原さんの事例
あるお客様から、「ぷっくりと立体感のあるオリジナルシールをつくりたい」とご相談をいただいたことがあります。ブランドロゴを印象的に見せたい、という明確なイメージをお持ちでした。
ただ、そのときは納期にあまり余裕がなく、あわせてご予算にも条件がありました。
そこで今回は、お客様がお持ちの仕上がりのイメージを大きく変えることなく、スケジュールと費用のバランスがとれる方法として、ポッティング加工をご案内しました。
結果、透明樹脂で表面をコーティングすることで光沢と厚みが生まれ、シンプルな長方形のロゴでも十分な存在感を出すことができました。お客様の仕上がりイメージを大きく損なうことなく、納期とご予算の範囲内で形にすることができました。ご提案する印刷方法は、仕上がりだけでなく、納期や金額など現実的な条件とのバランスも重要になります。ポッティング加工は、そのバランスを取りやすい選択肢のひとつとなりました。
よくある失敗と注意点
下記のよくある失敗と注意点をご確認いただけると、安全かつ最短でイメージ通りのものが作成できるかと存じます。
複雑すぎる形状・鋭角なカットライン
ポッティング加工は、カットラインの内側いっぱいまで樹脂を流してドーム状に仕上げます。そのため、角が鋭すぎる形状や極端に細長いデザインでは、樹脂が均一に盛れない場合があります。
仕上がりを安定させるためには、ある程度なめらかな形状に設計することがポイントです。
細すぎる線や小さい文字
ポッティング加工では、透明樹脂を通してデザインを見ることになります。
そのため、極端に細い線や小さい文字は、わずかに太く見えたり、にじんで見えることがあります。
細かい表現を入れる場合は、線幅や文字サイズに少し余裕を持たせた設計が適しています。
ベタ面の色が濃く見える
透明樹脂を通して見ることで、印刷された色がやや濃く見えることがあります。特に淡い色やパステルカラーは、想定より深い色味になる場合があります。
色味を重視する場合は、この変化を踏まえてデザインを検討しておくと仕上がりのイメージとの差を防ぎやすくなります。
屋外用途の場合は樹脂の種類に注意
ポッティングに使用する樹脂によって、耐候性が異なります。例えばエポキシ樹脂は紫外線によって黄変しやすい特性があります。
屋外での使用や長期間の展示を想定している場合は、難黄変タイプのウレタン樹脂を選ぶケースが多くなります。
想像より「存在感」が出ることがある
立体シールは、平面シールと違いドーム状の厚みと光沢があります。そのため、同じサイズでも平面シールより大きく見えたり、存在感が強く感じられる場合があります。
特にノベルティやグッズ用途では、貼る場所とのバランスも重要になります。
スマートフォンケースやノートなどに貼る場合は、事前にサイズ感を確認しておくと安心です。
納期の目安とスケジュール感
大まかな流れは下記の通りです。
①用途・サイズ・数量のご相談
②仕様確定
③データ入稿・確認
④データ校了(その後、必要であればサンプル作成→校了)
⑤本番印刷・加工
⑥検品・納品
一般的な目安は、サンプル作成で一週間程度、校了後の本番印刷で2〜3週間程度かかります。
数量や仕様によってはさらに時間がかかる場合があります。
立体加工は仕様確定後の変更が難しいため、事前の打ち合わせが重要です。ご予算次第ですが、できればサンプルの作成ができると安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 屋外で使えますか?
使用する樹脂によります。ウレタン樹脂は比較的耐候性があります。
※直射日光が常に当たる場所等、貼り付ける環境等使用条件によって異なります。
Q. 黄変しますか?
エポキシ樹脂は紫外線で黄変しやすい特性があるため、難黄変タイプの樹脂をお勧めいたします。バンフーでは、難黄変タイプのウレタン樹脂でのポッティングに対応しております。
Q. 最小ロットは?
加工媒体により異なりますが、ポッティングシールの場合は最小ロット1個より承ります。
Q. サンプルは作れますか?
可能です。ただし量産前提となる場合が多いため、事前にご相談ください。
実際にポッティングシールを作ってみた
前述の注意点などを踏まえて、バンフー営業部のキャラクター A4くん で実際にポッティングシールを作成してみることにしました。

ぼくはA4くん!
ぼくのプロフィールはInstagramをチェックしてね!
まずはデータ制作
サイズは、①8×8mm ②20×20mm ③50×50mm の3パターンで作成することにしました。①はポッティングの対応最小サイズです。②は巷でよく売られているバラエティシールをイメージしてみました。③はスマホカバーに貼れる大き目なシールをイメージしました。
以前展示会でA3サイズのA4くんパネル(ややこしいですね)を作成したときのデータを流用します。

等倍での縮小後、まずはカットラインから絵柄までの間隔を1.0mm以上あけます。
あとでカットするときに、絵柄が切れてしまわないようにするためです。

その後製版で、それぞれのカットラインに対して
8×8mmと20×20mmは角Rを2mm、
50×50mmは角Rを3mm
付けられることになりました。樹脂を均一に盛るためです。データ形状の調整はこちらで承ることも可能ですので、ご安心ください。

調整後のデータがこちらです。結構角がとれて、丸くなりました。
8×8mm(一番小さいもの)が特にわかりやすいです。
この調整後のデータで進行することになりました。
~約一週間後~
出来上がったサンプルがこちら!

これは…かわいい…!!
早速じっくり観察していきます。
出来上がり観察_上から

つやつやです。確かに色が少し濃く見えます。
A4くんの靴が分かりやすいです。
(といっても“いつものA4くん”がわからないですよね。本来はもう少し浅い青色なのです。写真だとさらに伝わりづらいですね…。)

一番小さなA4くん(8×8mm)も思っていたより絵柄がつぶれず、小さいながらも存在感を出しています。
でもさすがに数字は読みづらいですね。
出来上がり観察_横から

8×8mmの横面です。
透明樹脂がキレイです。
向こう側が見えます。

定規と撮ってみました。
2mmの厚さがあります。

これは50×50mmを横からみた写真です。表面張力はたらいてますね!もっともっと端の方はなだらかになっているかと想像していましたが、私の想像よりはもりっとしていました。
3種とも樹脂は厚さ2mmですが、サイズが小さい方が、触った時のぷっくり感がわかりやすいです
出来上がり観察_触ってみる

指でぎゅっと押しても凹む感じはありません。

でもぐにゅっと曲げても大丈夫です。柔らかいです。

反対側に曲げてもこの通りです。
ニッコリ!
出来上がり観察_断面を見る
断面が気になるという声を聴き、思い切ってやってみました!A4くんごめん!

(切っても笑顔…)
カッターできれいに切ってみましたが、思いのほか透明というよりは白っぽい感じですが、でもやっぱりうっすら向こう側が見えるので、透明度は高いと思われます。
まとめ
立体シールは見た目のインパクトだけでなく、設計次第で仕上がりの質が大きく変わる加工です。
ポッティング加工は扱いやすい一方で、デザインや用途に合った仕様選びが重要になります。はじめて立体シールを作る場合でも、基本を押さえておけば大きく迷うことはありません。
今回ご紹介したポイントを参考に、仕様をご検討ください。
・データ作成から相談したい
・小ロットで試したい
・価格を知りたい などなど
仕様が未確定でも問題ありません。
用途やご予算に合わせて最適な仕様をご提案いたします。
まずはご連絡ください^ ^ (ニッコリ!)
ボンボンドロップ®は株式会社クーリアの登録商標です。
