OPニス 【印刷用語集】|ネット印刷通販 バンフーオンラインショップ

印刷用語集

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OPニス製本加工



印刷面の上に、さらに透明なワニスを重ね塗り(刷り)することをニス引き、ニス刷り、上刷りともいう。基本的には印刷機でインキを刷るのとほぼ同じやり方でニス引きをおこなう。OPニスというと一般には光沢のでるグロスニスである。最初はパッケージ印刷で使われだした技術であるが、次第に他の印刷にも広がっている。

印刷面が乾燥しないうちにすぐに続けてニス引きをおこなうウェット方式と、印刷面が乾燥してからニス引きをおこなうドライ方式に分かれる。前者のウェット方式(インライン)はプロセス4色であれば5色以上の印刷機が必要であり、5色目でインキの代わりにワニスを刷るのである。4色以下の印刷機でおこなうなら後者のドライ方式(オフライン)でおこなうことになる。

印刷面に光沢を出して印刷効果を高め、インキ皮膜を保護し耐摩擦性を高め擦れに強くし、色落ちしにくくすることがOPニスをかける一般的な目的であり、表面加工的な意味合いを持っている。このため、ニス引きを表面加工の1種とする考え方もある。他の表面加工に比べ安価で印刷と一緒にできるため作業が早いというメリットはあるが、インキ皮膜保護や、キズ、汚れ防止などの効果という面では、他の表面加工に比べて劣る。

ファンシーペーパーの場合は、OPニス加工をおこなわない。これは他の表面コート加工をしてしまうと紙の持つ風合いが生かせなくなるからである。印刷の目的によっては、印刷物の表面をさらに滑りやすくしたり、その反対に滑りにくくしたり、耐水性を強化したり、剥離性を与えたりするといった機能性を持ったニスもある。

5色印刷機を使ってウェット方式をおこなう場合には、速乾性を持たせるという目的もあり、近年では5色機を超える8色機、10色機などの多色印刷機を新たに導入する時の動機となっている。欧米は全体的にその傾向があり、日本でも広まりつつある。

通常の酸化重合で乾燥すると次の作業に入るために数時間待たなければならない。それに対してOPニスを引くことでインキの乾燥の待ち時間を少なくすることができる。これにより表裏を続けて刷れることや、早く次の工程に回せるなどのメリットがあり、印刷物を滞留させず、かつ工程のスピード化を図り生産性を向上させることが可能となる。この点が、さらに小ロット化、短納期化を進めざるを得ない印刷業界の現状にマッチし、適応するための手段として、多色印刷機の導入に反映されているのである。

ニス引きを全面に刷るのではなく、部分的に刷ることで通常の印刷に特殊な効果を与えるスポットコーティングという使い方もある。この場合は、印刷版である刷版に絵柄を焼き付けて、ニスの付く部分と付かない部分を作ることによっておこなう。例としては、写真などの画像部分にだけニスを引き、光沢を出し強調し際立たせるために用いるなど、多くはデザイン面から意図的に使われる手法である。
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